ルイ・パスツールによって、発酵に微生物が大きく関与していることが明らかにされました。その後、さまざまな発酵に関わる微生物が特定されていき、発酵のプロセスがより理解されるようになりました。
発酵に関わる微生物は大きく三つに分類されます。それぞれの特徴を見てみましょう。
- 細菌(バクテリア)
- 主に乳酸菌、酢酸菌、納豆菌、酪酸菌などが含まれます。乳酸菌には正式に認められている種類が約400種以上はあります。
ただ、自然界にはまだ発見されていない種も多く、今後も増えていく可能性は大いにあると思われます。 - 大きさは三つの中で最も小さく、細胞分裂で増殖します。分裂速度が非常に早く、形状も球菌、桿菌、らせん状など多様です。
- 主に乳酸菌、酢酸菌、納豆菌、酪酸菌などが含まれます。乳酸菌には正式に認められている種類が約400種以上はあります。
- 酵母菌(イースト)
- 主にパン、ビール、日本酒、味噌、醤油の製造に使用されます。酵母にもさまざまな種類があり、増殖方法によって出芽酵母や分裂酵母などに分類されます。
- 大きさは細菌よりも大きく、形状もレモン型やソーセージ型、卵型など、さまざまです。
- カビ
- 日本の伝統的な発酵食品に大きく関わる微生物です。代表的なものに麹菌や鰹節カビ、ブルーチーズの青カビ、クモノスカビがあります。
- 大きさは三つの中で最も大きく、胞子が発芽して菌糸を伸ばし、枝分かれした先端に新たな胞子を作り出します。空気を好む特徴があります。
発酵食品に関わる微生物の例
発酵食品には、1つの食品に1つの菌だけでなく、複数の微生物が関係していることが多いです。同じ微生物が関わっていても、食材や製法によって出来上がる発酵食品は異なります。以下は、発酵食品に使われる代表的な微生物です:
- 醤油: 乳酸菌、醤油酵母、醤油麹菌
- 味噌: 乳酸菌、味噌酵母、黄麹菌
- 日本酒: 乳酸菌、清酒酵母、黄麹菌
- 焼酎: 焼酎酵母、黒麹菌
- 酢: 乳酸菌、醸造用酵母
- 納豆: 納豆菌
- 鰹節: カツオブシカビ
- パン: パン酵母
- ビール: ビール酵母
- ワイン: ワイン酵母
- ぬか漬け: 乳酸菌、酪酸菌、産膜酵母
- キムチ: 乳酸菌
- ヨーグルト: 乳酸菌
- チーズ: 乳酸菌
- ブルーチーズ: 乳酸菌、青カビ
菌の使い分け
同じ分類に属する菌でも、発酵食品によって使用される菌は異なります。例えば、同じ乳酸菌でも、漬物に使うものとヨーグルトに使うものでは異なります。麹菌や酵母菌も、それぞれの発酵食品に適した種類が使われます。
- 麹菌: 日本酒用、焼酎用、味噌や醤油用など、使用する麹菌は異なります。
- 酵母菌: パン用、ワイン用、ビール用、味噌や醤油用の酵母菌がそれぞれ異なります。
企業開発された製品に使われる菌には、機能性を持ったものもあり、商品ごとに差別化が図られることもあります。例えば、ヨーグルトや納豆の乳酸菌、パン酵母などは、企業が研究開発したものを使用している場合が多いです。
また、手作りの発酵食品の場合、空気中の微生物が自然に食材に付着し、発酵が進んでいきます。自家製で味噌や漬物を作る場合などは、この方法がよく使われますが、企業製品では特定の菌が添加されることが一般的です。
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